とめタウンネットでの地域貢献活動

副理事長の及川です。私は、特定非営利法人とめタウンネットで次のような地域活動をしてきました。登米市は、宮城県北東部に位置し、東日本大震災では甚大な被害を被ったものの、津波被害は無く、震災後は隣接する南三陸町や気仙沼市、石巻市と言った沿岸地域への中継地点として、多くのボランティア組織が本部を設置し活動を実施しました。 登米市には、住まいを失い、コミュニティを離れざるを得なくなった震災被災者のための仮設住宅が建設され、南三陸町の人々が、住み慣れた地域から遠く離れたこの地に転居してきました。現在は、災害公営住宅が建設され、南三陸町から登米市へ住まいを移した人たちも大勢います。私どもは従来のコミュニティと仮設住宅住まいを経て災害公営住宅に移住してきた南三陸町の皆さんのコミュニティをいかに結びつけ、新しい地域コミュニティを生み出すかを考え、被災地の復旧再生、復興のプロセスを、地域に暮らす人の視点で具現化させることを考えています。

地域住民の求めるコミュニティ機能の向上に応えながら、仮設住宅、復興住宅等で暮らす方々の生活再建に向けた就労と生きがいづくりの場を提供することにより、地域住民満足度の向上を目指し、最終的なゴールは、被災し、避難してきた多くの住民が、移り住んだ登米の地を「終の棲家」と して認識し、新しいコミュニティづくりを担う一員となり、「地域の課題は地域で解決していく !」という主体的な住民による住民自治を実現したいと考えています。

震災直後から取り組んでいることのひとつに、津波被害を受けた高齢女性たちの生きがいづくりとして手仕事プロジェクトがあります。東北の暮らしの知恵を次世代、他地域に伝え、相互扶助の精神を養うきっかけとなる商品づくり、リアスの海の豊かな資源、海産物をモチーフとしたオリジナルデザインのエコたわし「編んだもんだら」です。気仙沼、南三陸、登米にそれぞれチームを作り、まずはチーム内でのコミュニティ形成から始まり、今では買っていただいたお客様達との交流も盛んで、全国各地でつながりが出来ています。北海道や熊本、ネパールなど、震災被害を受けた地域のみなさんとも「編んだもんだら」でつながり、復興支援の一助を担っています。今後も多くの震災は避けることは出来ませんが、復旧・復興のプロセスの中で地域を超えた人と人のつながりが生きて、共助の一つの形を築きつつあるのかと思っています。

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